POINT OF VIEW ポイントオブビュー

デーシーイー社長

竹上 端一

産業用制御システム


私は産業用制御システム(ICS:Industrial Control System)の中でも電力、交通といった社会インフラなどを除く、プラント設備および生産設備における制御システムに関わるさまざまなインシデントに対する問題点、対処法を研究している。
プラント設備および生産設備は稼働を停止できないことが多く、そのために機械的な冗長化などさまざまな考え方で生産を継続している。これらの設備を制御する電子機器、コンピュータ制御システムにおいて、制御機器の異常故障など物理的な故障、またはサイバー攻撃によるプログラムの暴走およびネットワークの異常などインシデントが発生するリスクがある。

この場合どのように回避したらよいのか設計時点で考えておく必要がある。とくに、最近のサイバー攻撃については、従来のIT分野とOT(Operational Technology)の融合が進むにつれて攻撃が巧妙になっている現実から制御システムにおいて対策を講じていく必要がある。
従来から使用されているハードウェアの制御方法を見直し、またPLC、SCADAと融合した生産設備をつねに健全に保つべく、設計時点において検討すべき問題点を検討し、産業機械メーカにおける制御設計について問題点の対策法および会社の体制から設計手法まで実際に応用できるような提案を行うものである。
今回のテーマは、昨年アルジェリアの世界最大級尿素製造プラントにおいて生産された尿素を貯蔵建屋まで搬送・貯蔵する設備と貯蔵建屋から船積みをするための搬送設備に関する制御システムの不具合検証に携わったときのセキュリティ関連の体験談である。
顧客であるプラント建設会社は建設業務を遂行するために、フランスのセキュリティ専門会社にセキュリティ関連業務を委託していた。キャンプ内における安全対策、赴任者の空港への送迎、通勤時の安全確保などについては武装民兵が対応していた。さらに、現地赴任者に対しては、どこの建設現場でも行われる服務規程、安全通路の通行、高所作業手順など約2時間程度の安全教育がなされた後、セキュリティに関する説明がセキュリティ専門会社のフランス人から約2時間、「現地緊急時行動指針」(Guide for Emergency Escape)に従ってプラントサイト内における行動指針についての説明が行われた。

①プラントサイトにおける突発的緊急事態発生時の行動指針、②プラント内でのテロ発生時の行動指針、③地震・火事発生時の行動指針、④キャンプにおける突発的緊急事態発生時の行動指針、⑤キャンプ周辺で暴動ないしテロ攻撃が発生し、キャンプエリアの侵入があった場合
この説明に関して通常の日本の建設現場ではありえない話だが、日本以外での建設現場ではこのようなセキュリティ会社に委託し、外部からまた内部からの緊急事態対策が一般的であることを知らされた。制御システムを狙った攻撃はネットワークだけでなく物理的な侵入に対しても対策を講じなければならないのだ。

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