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ToDo―Company遺品整理クリーンサービス社長

増田裕次

真冬のヒートショック

冬本番になって不安定な気象になっているため体調を崩す人が少なくない。一方、ヒートショック関連で亡くなる人がどのくらいかご存じだろうか。
部屋の寒暖差によるヒートショックで亡くなる人数は、年間、交通事故で亡くなるよりもはるかに多い1万7000名以上だ。ただし、その数字は適正ではなく、ほんとうの数字はそれ以上といわれている。
ヒートショックによる事故では、血圧の乱降下によってウトウトと入浴中に失神して溺死してしまい、死後数日たっても気付かれないまま浴槽の中で孤独死をしてしまうというケースが多い。
シャワーが出っぱなしになっていれば近隣に気付いてもらうこともあるが、シャワーも出ていなければ、無音のまま浴室の電気だけが付いているだけで発見には至らない。

その間に遺体は腐敗して、どす黒く赤く染まった水は遺体を包むように浴槽に張る。
水であればよいが、24時間風呂のような自動保温装置が付いていれば、発見までの間、遺体は浴槽の中でグツグツと温められている。
ヒートショックを防ぐのは認知だ。つまり高齢者の入浴は、ひとりでは危険が伴い、溺死と隣り合わせになっていることを知ることである。
例えば、浴室と脱衣所の気温が大きければ浴槽に入って血圧が変動し血液は足に溜めって上半身に行きにくくなる。
そのまま湯船で温まり湯船から上がろうとした瞬間に失神して背面から湯船に頭から落ちて溺死してしまうこともある。
数々の事例からいえるのは、脱衣所から浴室に入った瞬間に倒れていることが多いということだ。洗い場のあたりで息を引き取ってしまっているケースをよく見かける。その次は浴槽の中で意識を失って溺死してしまっている状態だ。
高齢の一人暮らしが心配なので訪問入浴などを契約しても、介護者と高齢者でトラブルになり、介助者が帰った後にひとりでお風呂に入ろうとして小物などにつまずき浴槽の中へ沈んでしまうことも…。
ヒートショックを防ぐには、入浴する前に浴室のドアを開けたまま熱いシャワーを10分くらい出しっぱなしにして、浴室と脱衣所の寒暖差をなくすことだ。

あるいは脱衣所で電気ストーブを活用すれば、失神して何カ月も発見されないという悲劇も減るだろう。
自動的に部屋の温度を平均にするシステムがあればいい。天井裏からすべての部屋に平均的に暖房が送れるような空調があれば寒暖差による事故も少なくなっていくのではないか。
年間の交通事故死が「4000―5000人」、ヒートショックで亡くなる人数は年間1万7000人以上。交通事故よりも家の中で亡くなっているほうが圧倒的に多いという現実を、どのように考えるべきか。建物の構造の問題なのか、人間関係の問題なのか、家族関係の問題なのか。現代を生きるわれわれに問われているのだと思われてならない。

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