POINT OF VIEW ポイントオブビュー

沖縄ITイノベーション戦略センター理事長

中島 洋

HIRAI Pitch

5月中旬、那覇市の一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)で「HIRAI Pitch in 沖縄」が開かれた。
「HIRAI Pitch」は昨年10月に平井卓也氏が大臣に就任してすぐに開始された行事で、「創造する未来社会からバックキャスト的に新たなイノベーションを起こしていくため、情報通信技術(中略)等はどのように進めていくべきか、平井国務大臣と産学官関係者との間で幅広い意見交換を行う懇談会」である。
中央では有力IT企業経営者や有識者と懇談、意見交換し、地方でも各地のスタートアップ企業やサポート機関と意見を交わしている。

平井大臣は「小泉内閣で沖縄のIT担当大臣政務官」を務め「沖縄のIT津梁パークは名付け親」で「沖縄のIT関係者とはいろいろなつながりもあるので、忌憚のない意見を聞きたい」と、沖縄を開催地に選んだ理由を述べている。
筆者もISCO理事長として参加、沖縄県内企業7社、県内で事業展開している内地の2社、合計9社のプレゼンを聞いた。
沖縄のIT機関の理事長としては恥ずかしいが、半分の企業は名前も初めて知る企業で、発表内容にも目を見開かされるものが多かった。

最近では、スタートアップ企業と投資家、あるいは事業連携先を求める大企業などとのマッチングの場をつくる「ピッチ」が頻繁に開かれている。ただ、ほとんどは東京や大阪、福岡など大都会に集中している。
沖縄でもISCOをはじめ、金融機関、報道機関などがスタートアップ企業育成のためのピッチを開いているが、東京、大阪などに比べると規模は小さく、まだ、成長途上というより「成長途上未満」のものが多いと感じていた。
しかし、今回の「HIRAI Pitch」で確認したのは、開催者の知名度が高く、大掛かりに網を投げれば、地域に潜んでいた成長途上のスタートアップ企業をすくい上げることができるということである。
また、短期間に多数の地域を巡って同じ視点でプレゼンを聞けば、開催者の目も肥えてくる。その視点から、ほかの地域にあるスタートアップ企業との連携のアドバイスもあった。プレゼンの間に平井大臣が質問をし、賞賛のことばを投げるのも参加者の励みになる。「成長の阻害要因は?」との質問には、「待ってました」とばかりに規制の問題、資金の問題など、具体的な陳情が行われた。
平井大臣は議員立法によって多数のIT施策を実現し、推進してきた。「HIRAI Pitch」はIT産業の現場におりて、企業や社会の成長阻害要因を探り、日本社会の革新のために何が必要か、次に推し進めるIT施策のヒントを集めていると感ずる。

日本社会のデジタルトランスフォーメーションを起こすのは、大企業よりも、過去の仕組みにこだわらないスタートアップ企業だろう。
沖縄だけでもこんなに有力なスタートアップ企業が見いだせる。日本もまだ、捨てたものではない。

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