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中小企業診断士

片山 祐姫

成果の高いチームのリーダー


ここ最近、「働き方改革」というキーワードを毎日のように目にするようになった。
その背景には、労働人口の減少、長時間労働、諸外国と比べて低いとされる日本の労働生産性の問題などがある。
「働き方改革」の具体的な方向性としては、残業規制や労働生産性の向上などが挙げられている。
政府が、働き方改革・生産性向上の事例としている内容を読むと、設備投資やIT活用による効率化事例が多いようである。しかし、生産性を高める方法はほかにもある。
アメリカのグーグル社は2012年に労働生産性向上計画に着手した。自社の生産性を向上させるために、社内で成果を上げたチームに共通する特徴を分析したのである。
その結果わかったことは、生産性の高いチームに共通する要素とは、チームワークでも行動基準でもなく、なんと「心理的安全性」だったのである。
「心理的安全性」とは、非難されたり、批判されたりせずに発言や行動ができると個々人が感じられる状態を言う。成果を上げているチームでは、メンバーの間に配慮や共感があり、心理的安全性が確保されていた。
それによって、各メンバーは躊躇せずに質問や新しいアイデアの提案ができ、それがチームの成果を生み出していたのである。
チームの「心理的安全性」を確保するには、メンバー全員の関わりが必要であるが、まず重要なのは、リーダーのあり方である。メンバーに共感し、感謝を伝える姿勢がリーダーに求められる。中小企業でいうと、一番のリーダーは社長である。

今回は、「社員がずっと働き続けたい会社」にするにはどうすればいいかを社長がつねに考えている会社をご紹介する。
アルミ・ステンレス精密加工の株式会社 長濱製作所(京都市南区)だ。社員数は32名。
社長は、社員に何か悩み事がないかを、つねに気にかけている。そこで、実施しているのが毎月、給料を渡すときの5分間面談である。5分でも32名となると、2時間半かかる。これを毎月実施している。
若い社員の夢を叶えたいとの思いもある。そうした気持ちから、社員のマイホーム購入に際しては、銀行交渉も買って出る。昨年11月には新工場が完成した。そこでいちばんお金をかけたのはトイレだという。社員に気持ちよくトイレを使ってもらいたいためである。
昨年、同社は経済産業省の「攻めのIT経営中小企業百選」に選定された。
ITを活用して作業工程を可視化し、超短納期で差別化を実現している点が評価されたのである。しかしこうした仕組みが機能するためには作業に携わる人材の意識改革がなにより重要である。
同社にとって、今期は創業70年という節目の年である。
さらなる飛躍のためには、徹底した「ムダ取り」により、一人ひとりの生産性を上げることが必要である。そのためには、どう実践すればいいか。社長は、つねに考え続けている。

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