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岡山Omiai婚活パーティの様子

岡山県とネットマーケティングが連携

婚活支援と移住促進をセットに

2019年1月1日(火) 3355号

岡山県とオンラインの恋愛・結婚マッチングサービス「Omiai」を運営するネットマーケティングは共同で婚活支援事業を展開している。同県では婚活支援と移住促進をセットにすることで、カップルの岡山移住を活性化させたいとしている。ネットマーケティングではオンラインの恋愛・結婚マッチングサービスの信頼向上を視野に、今後も自治体との連携を強化する方針だ。

国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によると、いずれ結婚したいと希望する未婚の国民は男女とも約9割で、国民の圧倒的多数が結婚する意思を持っている。その一方で未婚率は年々上昇しており、国勢調査によれば、2015年は30―34歳で、男性は約半分、女性はおよそ3人の1人が未婚だ。一般的に50歳時の未婚率を「生涯未婚率」と呼ぶが、同調査によれば、50歳男性の23・4%、50歳女性の14・1%が一度も結婚歴がない。
ちなみに男性の生涯未婚率が高い都道府県は1位が沖縄県、2位が岩手県、3位が東京都でいずれも26%を超えている。逆に婚姻率が高いのは奈良県で、滋賀県、福井県と続く。いずれも生涯未婚率は20%弱だ。
女性の生涯未婚率は東京都(19%強)を筆頭に、北海道(17・2%)、大阪府(16・5%)の順。婚姻率が高いのは福井県、滋賀県、岐阜県で、いずれも生涯未婚率は10%以下だ。
地域により差はあるが、1990年の生涯未婚率が男性5・6%、女性4・3%だったことを鑑みれば、生涯未婚率はこの30年で、一気にせり上がったといえる。
せり上がる生涯未婚率の背景に何があるのか、その分析についていまは措く。
日本では結婚が出産、養育につながる。婚外子が選択肢として定着していないこの国では当然の流れだろう。実際、出生総数に占める嫡出でない子どもの割合は2・3%(2014年時点)と非常に低い。ちなみに米国は40%ほどで、少子化対策に成功したとされるフランスでは約57%が婚外子だ。
少子化克服が重要命題の日本において、打てる手段は大きく二つしかない。
一つは婚外子を社会的に認めることだ。要するに意識転換である。各国の状況を見る限り、これが最も即効性のある施策だ。ただ、言うは易く行うは難しとはこのことで、長らく一夫一妻を自然と捉えて、家族主義、血統主義を重視するこの国では、家族という概念をあいまいにし、場合によっては一夫多妻がまかり通ってしまう施策を簡単に受け入れるとは思えない。
日本でも婚外子を社会的に是認する日がいつかは来るだろう。しかし、そこに至る道程は想像以上に険しいと思われる。
そうなると残る手段は一つで、婚姻率を上げることだ。少子化対策の観点で言えば、とくに若年層の婚姻率向上がカギになる。
出生動向基本調査では結婚しない理由も聞いているが、それによると18―24歳では男女とも「仕事(学業)に打ち込みたい」「まだ若すぎる」「まだ必要性を感じない」が上位を占めた。25―34歳になると若干男女差が出る。男性は「適当な相手に巡り合わない」「まだ必要性を感じない」「結婚資金が足りない」が上位で、女性は「適当な相手に巡り合わない」「まだ必要性を感じない」「自由や気楽さを失いたくない」となった。一方、35―39歳になると男女の差がなくなり、いずれも「適当な相手に巡り合わない」「まだ必要性を感じない」「自由や気楽さを失いたくない」という回答が多かった。
この調査だけ見ると、9割近くが単に結婚という制度を肯定しているだけで、実際は結婚よりも理想や自由を優先しており、とどのつまりは「結婚の必要性は感じないが、否定はしない」というレベルでしかない。なるほど、生涯未婚率が上昇するのもむべなるかなだ。
一方、オンラインの恋愛・結婚マッチングサービス「Omiai」を運営するネットマーケティングが興味深い調査結果を公表している。出生動向基本調査と同様に結婚しない理由をOmiai利用者に聞いたところ、18―24歳では男女とも「適当な相手に巡り合わない」「異性とうまく付き合えない」「まだ若すぎる」が上位を占めた。こちらも25―34歳になると若干男女差が出る。男性は「適当な相手に巡り合わない」「異性とうまく付き合えない」「結婚資金が足りない」が上位で、女性は「適当な相手に巡り合わない」「異性とうまく付き合えない」「自由や気楽さを失いたくない」となった。さらに35―39歳になると男女の差がなくなり、いずれも「適当な相手に巡り合わない」「異性とうまく付き合えない」「自由や気楽さを失いたくない」という回答が多かった。
調査結果からは理想の相手と出会い、うまく付き合えれば結婚したいという前向きな意思が幾分感じられる。
この点について同社メディア事業本部サービス推進部PR・企画チームの能登円香チームマネージャーは「結婚に興味のない人たちがいる反面、本当に結婚したいと思っている人たちも大勢いる。そういう人たちは、仕事などに忙殺され、出会いの場所を見つけることが難しく、どうやって結婚相手を探せばいいのか戸惑っている」と話す。
こうした状況の中、本当に結婚を望む層にとって、ネット上のマッチングサービスが一つの活路になりつつあるという。
 
オンラインのマッチングサービスというと「出会い系サイト」などが想起され、いかがわしいイメージがつきまとう。
この点は同社も認識しており、Omiaiでは2012年のサービス開始以来、安心・安全をモットーに、真面目な利用者が嫌な思いをしないで済む仕組みづくりに注力してきた。
その一環として一般社団法人 結婚・婚活応援プロジェクトが策定したインターネット婚活サービスに関する自主規制ガイドラインに準拠。具体的には「より強固な個人確認の徹底」「独身確認」「ルール違反の監視」などを定めている。
能登氏は「例えばOmiaiはフェイスブックの情報を利用している。フェイスブックの基本は一人1アカウントなので、過去にあった仕組みよりは、なりすましがしにくい。フェイスブックの内容を通して、相手の顔や趣味、人柄などもある程度は推察できる。利用者のフェイスブック友だちには、Omiaiの検索結果が表示されないので、プライバシを守りながら婚活ができる」と言及する。
男性を月額有料制にしている点もポイントで、これが不届き者にはハードルになる。会員登録までは無料だが、女性とメッセージのやりとりを始めると対価が発生。加えて、メッセージをやりとりするためには男女ともに公的身分証明書による年齢確認が求められる。料金は1カ月プランが3980円で、この期間は無制限にやりとりできる。一方、女性には一切料金が発生しない。この辺は男女とも有料の結婚相談所とは異なる。
能登氏は「当初は男女とも有料にしていた。結婚したいというモチベーションは男女とも同じだと思うが、年収格差などを考慮し女性は無料にした」と述べる。
現状の会員数は累計360万。男女比は6対4で、25―34歳が男女とも半数以上を占める。
Omiaiは結婚につながる出会いの場を志向していることもあり、結婚相手として知っておきたいプロフィール項目を数多く用意している。例えば年収や結婚歴、子どもの有無、引っ越しできるかどうかなどだ。職種の項目も69種類と細かい。どんな仕事をしているかで相手のライフスタイルがある程度は把握できるからだ。
ちなみに、女性が男性を見るポイントは「年齢」「居住地」「容姿」「年収」の順だという。女性は自分と同じ世代で、しかも近くに住んでいる男性を求める傾向にある。結婚を視野に入れているので、遠距離恋愛は極力避けたいのかもしれない。一方、男性は容姿を重視。年齢は自分よりも若い女性を選ぶ傾向がある。そのほか、たばこを吸うかどうか、子どもの有無を気にするという。
オンラインマッチングサービスは結婚相談所のように専門のスタッフが男女の仲を取り持つことはない。交際するかどうか、結婚するかどうかは、あくまで自己判断だ。マッチングした会員のその後のフォローも基本的に行わない。ただ、同社には元会員からの良縁報告が寄せられており、それによると、短期間で結婚に至るケースも少なくないようだ。
「Omiaiはもともと少子化対策に貢献する目的でスタートした事業なので、結婚につながる出会いの場として社会に根付かせていきたい」と能登氏は話す。
 
同社では社会に根付かせるための戦略として自治体との連携を推進。その一環として岡山県、ボランティア団体「岡山盛り上げよう会」と共催し「岡山Omiai婚活パーティ」を昨年8月に都内で開催した。県外にいる岡山県出身者をはじめ、将来、岡山県で暮らす意思のある男性(25―35歳)と女性(20―35歳)を、Omiaiを通じて募り、58名(男性28名、女性30名)が参加した。
このイベントについて岡山県県民生活部中山間・地域振興課移住促進班の山田威夫班長は「婚活パーティと移住促進事業をセットにするのは、いままでにない新しい取り組み。こうしたイベントの際、われわれの力だけで60名近くを集めるのは至難の業だ。そういう観点からOmiaiとの連携効果は実証できたと考えている」と言及。こうしたイベントを通じて移住するカップルを増やしていきたいとしている。
同県の人口は約190万だが、毎年5000人ほど減少している。自然減と社会減の比率はおよそ7対3。同県の特徴としてUターン比率の低さが挙げられる。全国平均30%に対し同県は13%だ。
しかも現在は各道府県が移住促進事業に力を入れており、競争が激化している。「そのため新しい切り口で、岡山の魅力を発信しなければならない。その試みとしてOmiaiとの連携を決めた」(山田氏)。
Omiaiのほうには、自治体と連携することで社会的な信頼性を得るというメリットがあり、両者の間には互恵的な関係が成立している。
周知の通り、いまでは少子化対策の一環として自治体レベルがマッチング事業を展開している。ただ、自治体のノウハウだけでは訴求力に欠け、結婚につながるカップルが続々と誕生する流れにはなっていない。
ちなみに岡山県でも独自の結婚支援サービスを2017年から運用しているが、2018年10月時点で誕生したカップルは11件だ。
自治体の信用力と民間の企画力をうまく組み合わせることができれば、もっと効果的にカップルの数を増やすことができるのではないか。

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