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アースシャトル工法

連載「通建新時代」②

協和エクシオ

2019年3月18日(月) 3363号

協和エクシオの小園文典社長にインタビューし、グループ経営の方針や事業戦略について聞いた。先般、シーキューブと西部電気工業、日本電通がエクシオグループに新たに加わったが、各社が各地域で存在感を発揮できるようにするマネジメントを基本に置く。一方、協和エクシオとしては新ソリューション事業に力を入れ、民需系ビジネスのすそ野を広げていくとしている。日本経済が縮小する中で、グローバルビジネスにも軸足を向けるなど、国内キャリア系ビジネスへの依存度を下げていく考えだ。

――シーキューブ、西部電気工業、日本電通が新たにグループに加わった。その経緯・背景について
全国をワンストップでカバーするのに、東海や九州に拠点を置くグループ会社があるのは大きなポイントになる。
また、これから東京2020に関連した工事が増える。グループが大きくなることで、リソースなどの面で各社に応援してもらいやすくもなる。
実際、すでに応援してもらっており、東北エリアで進行中の光ファイバ敷設工事には、シーキューブが携わっている。
このタイミングで経営統合を決めたのは、東京2020の準備が進む中、仕事が東京中心になっており、一方で、リソースが限定され、当社の保有する東京のリソースだけでは対応しきれなくなっているからだ。新たに仲間になった3社に手伝ってもらえれば、いろいろな面で助かる。

――どのようなグループマネジメントを目指すか
まず、強調したいのは、すべて協和エクシオのやり方に統一するつもりはないということだ。通信キャリア系の仕事については、全国規模で展開され、また災害時にはお互い助け合う必要があるので、ある程度、仕事のやり方を合わせていくのは妥当だが、すべての業務を協和エクシオ流に統一することはない。
各社が自分たちのやり方で、いまある仕事を広げていけばいいと考えている。
例えば当社が地域で抱えている仕事も、東海ならシーキューブ、関西なら日本電通、九州なら西部電気工業に少しずつシフトしていく。このように各社がその地域で存在感を発揮できるようなマネジメントをしていきたい。
というのも、やはり東海や九州では、協和エクシオよりも、シーキューブや西部電気工業のほうが、ネームバリューがある。地域の仕事を獲得するのは、その地域に本社がある会社がリードしたほうが選択肢は広がる。
こうした取り組みを通じて、効率化を図り、グループの応援体制を強化したい。
われわれの業界で効率化を進めるには、地域の仕事は地域のグループ会社に任せていく、あるいは、協和エクシオの既存業務をある程度、地域の会社に寄せていくことが必要だ。
私がよく言うのは「協和エクシオは戦艦大和になるのではなく、各社が駆逐艦となり、それぞれが活躍して、全体のチームとして力を発揮する」ということだ。
では、こうした構図の中で協和エクシオは何をするのか。
当社は民需ビジネスで得意分野を広げていく。日本経済が縮小する中で、キャリア系ビジネスはどんどん厳しくなる。そのためキャリア系ビジネスへの依存度を下げていきたい。
例えば当社は鉄道通信工事を強みにしている。またグループ会社のエクシオテックは地下鉄の通信工事を得意にしている。こうした領域をさらに伸ばしていく。
また電気空調工事も得意分野なので、さらに手を広げていく。
周知の通り、いま東京はビル建設ラッシュなので、電気空調工事も増えている。こうした仕事を取りながら、当社の得意分野でもある監視カメラソリューションやセキュリティソリューションを伸長させたい。
得意分野で、大きな柱が何本か立ってくれば、エクシオグループで仕事を分担できるようにもなる。
このたびの経営統合は、既存業務でのシナジーを狙ったものだが、将来的には民需関係まで広がればいいと思っている。
一方、当社の主な仕事は施工・建設だが、今後はメンテナンスも大きな仕事になるとみている。すでにNTT東西様では、段階的に保守・運用、メンテナンスの仕事を通信建設工事会社に発注しているが、こうした動きは、ほかの通信キャリアにおいても出ているので、しっかり対応していく。
ビル関係でも、つくって終わりではなく、メンテナンスや監視まで携わることができれば、継続的なビジネス展開が可能になる。

――新ソリューション事業について
当社では4つの領域に力点を置いている。すなわち「新エネルギー」「グローバル」「クラウド・セキュリティ」「ジオソリューション」である。
新エネルギー分野では、エネマネサービスや可搬型リチウムバッテリ、蓄電池などを推進している。
クラウド・セキュリティ分野では、シンクライアント・仮想化ビジネスをはじめ、セキュリティ基盤やM2M、IoTに軸足を向けている。
ジオソリューションでは、ビーコン(屋内測位インフラ/センサネットワーク)に注力している。 

――グローバル事業について
当社のグローバルビジネスは基本的にスモールスタートで少しずつ成長させていく。
現状は、アジアの親日国を中心に関係を深めることを重視している。短期的な視座でいうと、グローバル事業を展開することで、当社社員が活躍する場所が得られる。長期的な視座で考えると、日本の労働人口が減ってきたときに、アジアの国々のエンジニアの応援を得ることができる。日本の労働人口が減少しているのは確かなので、アジアのエンジニアに応援を頼む状況が5―10年後には来るのではないか。そう考えると、いまからいい関係を築いておいたほうがいい。
当社は、フィリピンで28年間、ビジネスを展開しており、非常に順調に来ている。タイにも通信会社を持っており、タイに進出した日本企業の仕事を行っている。
昨年11月には、アジア地域における事業運営を統括する子会社「EXEO GLOBAL(エクシオ グローバル)」をシンガポールに設立した。そして先日、次世代通信技術を駆使したシステムソリューション事業をグローバルに展開するDeClout(デクラウト)をエクシオ グローバルの傘下に収めた。
DeCloutはソリューションも展開しており、自分たちで、新しい仕事を生み出すことができる。当社はアジアに拠点はないが、DeCloutは各国に拠点を持っているので、当社が推進しているICTソリューションを展開する際に、DeCloutと組めばアジア展開がしやすくなる。
さらに現在は、ODA関係にも照準を定めている。当社は、これまでも空港や鉄道の通信バックヤードを手掛けており、人材もスキルもあるので、日本企業と組みながらアジア各国の空港や鉄道などの通信工事を手掛けていきたい。

――ジオソリューションとして展開しているEXBeaconが好評だ
4つの領域の中で最も期待しているのがジオソリューション分野だ。
その中にあって、EXBeaconは引き合いも多く、すでに60社ほどと商談を進めている。
EXBeaconはメッシュネットワーク機能を搭載した次世代ビーコンであり、屋内測位インフラとセンサネットワークを提供できる。
例えば、レイアウトフリーのオフィスで、だれがどこにいるのか把握したいといった場面で使いたいというお客さまが多い。こうすることでオフィススペースが3割ほど効率化するからだ。
机にセンサを付けて部屋の湿度や温度を管理できないかという問い合わせもある。EXBeaconを社員証などに入れると、社員がビル内のどこにいるのかわかる。とう道やデータセンタなどセキュリティが厳格なエリアでの入退室管理にも最適に使える。
さらに海外の病院では、トライアルの一環として、ワンフロアに導入。病院のどこに医師や看護師がいるのかを把握するのに活用している。とくに重宝がられているのは、医療機器がどこにあるのかすぐわかるようになったことだ。病院では医療機器を使いまわすので、置き忘れなどが発生し、探すのに手間取ることがある、EXBeaconを活用することで、こうした課題が解消された。
この病院では、全フロアへの導入を検討しているところだ。
一方、当社ではトライアルとして、倉庫にEXBeaconを導入し、どこにどんな資材を格納しているのか、一目でわかるようにしている。こうした取り組みを通じて、倉庫の無人化を目指している。
倉庫の無人化はさまざまな企業がトライアルを行っているが、EXBeaconの特長は、こうした無人化を低コストでできるようにする点だ。
このようにEXBeaconは、いまちょうど発展期にあり、小規模導入が進んでいる。効果が確認されれば、大規模導入に踏み切るお客さまも増えると期待している。

――そのほかの一押し
当社は土木工事も強みにしており、人材も豊富だ。こうした人材を活用して、弧状推進工法(HDD)超長距離・高速・コントロール削孔「アースシャトル工法」を展開していく。
沖縄では、この工法を使って海底ケーブル陸揚管路などの設置工事を提案していく方針だ。サンゴ礁の下を掘削するので、サンゴ礁を傷つけることなく管路を設置できる。
この工法を使えば、通信や電力のケーブル管路のほか、取水管路、送水管路なども短期間で設置することができる。
昨年は台風の影響で、海底ケーブルの陸揚げのところでサンゴ礁に引っかかり切断するという事例が見られた。また陸揚げの部分は、漁業との兼ね合いで問題になることもある。一方、アースシャトル工法を使えば、海の底にケーブルを埋めるので、こうした問題がほぼ解消される。
それだけではない。いま風力発電の需要が伸びているが、そこで活用するケーブルを敷設する際にも、この工法が生かされると考えている。

――デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組み
当社にはソフトウェアの部隊があるので、そこを中心にAIやRPAに取り組んでいく。社内RPAについては、できるところから導入を始めている。その効果が確認されれば、グループ全体に広げていきたい。
さらに新組織を発足させ、各本部横断でデジタルトランスフォーメーションを進める方針だ。

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