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複数の微化石が集合した顕微鏡写真

微化石を自動で分取

産総研やNECら

2018年12月10日(月) 3354号

国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)とNEC、マイクロサポート、三谷商事は、地層を構成する堆積物に含まれる多様な粒子の中から、非常に壊れやすく複雑な形態を持つ微化石を、AIを用いて大量に鑑定し、自動的に分取するシステムを世界で初めて開発した。
このシステムにより、これまで膨大な時間と労力をかけて人が行ってきた微化石の選別作業を、自動的に高速で行うことができる。微化石の鑑定による地層判定と、分取された微化石から詳細な年代を推定することで、石油探鉱などで迅速で高精度な地層解析が可能となる。
今回開発したシステムは顕微鏡部、マイクロ・マニピュレータ部、AI部からなる。顕微鏡部は、コンピュータ制御された電動X―Yステージと高解像CCD顕微鏡カメラが実装され、自動的に微化石などの多様な粒子の画像を取得し、それらの位置を精密に記録できる。マイクロ・マニピュレータ部は、微化石の位置情報をもとに微化石を分取し、所定位置に集積する機能を持つ。マイクロ・マニピュレータの先端は、繊細でデリケートな微化石を壊さずに分取するため、2本の針で摘まむ一般的なタイプの箸型ではなく、極細のガラスチューブで空気を吸引して微化石を吸着するスポイトタイプを採用。AI部の学習アルゴリズムには、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を搭載したディープラーニングのソフトウェアを採用したことで、これまでの機械学習では困難であった複雑な形態の微化石を迅速、正確に鑑定することが可能となった。また、顕微鏡のステージ上に粒子を散布すると複数の粒子同士が重なり、それが画像処理の際に一つの粒子と誤判定されてしまうため、散布した粒子が一定間隔で配列するような試料台を新たに考案・作成した。
これらの複数の機能を有する総合的なシステムの開発により、顕微鏡のステージ上の試料台に散布した多数の粒子の画像を取得し、そこに含まれている微化石をAIによって鑑定し、それらを破壊することなくマイクロ・マニピュレータで分取することを自動で、連続的に行えるようになった。
AIの学習作業による実用的なモデルを充実させるため、より多くの種類の微化石について教師データを整備する。
その後、今回開発したシステムにより、実際の石油探査現場や調査・研究現場などでの地層解析作業を効率的に推し進め、その有効性の確認とともに、このシステムの普及を促進する。
また、微小な粒子の扱いにたけているというシステムの特長を生かした社会での汎用的な活用を目指し、鉱物や火山灰などの微化石以外の粒子についても、このシステムの有用性を検証する。

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