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センサは後付けで、すぐに取り付けられる

工場向けIoTを展開

NTT東日本

2018年11月19日(月) 3351号

NTT東日本は、工場向けIoTパッケージを21日(水)に発売する。このパッケージを活用することで従来、生産現場で正確に把握できなかった製造機械の稼働データを蓄積することやアラート通知により異常停止を早期発見すること、異常停止時にネットワークカメラが連動して現場状況や従業員の動きを映像で記録することが可能になり、作業工程の見直しや従業員のスキル継承など、現場の「生産性向上」「作業の省力化」「人材育成」を実現する。

経済産業省の調査によると、日本国内には37万の工場がある。その大半が従業員数十人から数百人の中小工場だ。こうした工場の多くが「従業員の確保」「事業継承」を課題として挙げている。少子高齢化による人手不足の波をもろにかぶっている形だ。
NTT東日本が提供する工場向けIoTパッケージは、こうした課題を解決する目的で開発された。
「IoTを活用して工場の生産性向上、省力化を進めることは、日本経済に大きなインパクトを与えるものと考えている」と同社経営企画部営業戦略推進室の酒井大雅担当部長は述べる。
実際、多くの工場でIoTに対する関心が高まっている。ただそこにはハードルもあり、導入に踏み込めないでいるのも事実だ。
具体的なハードルとして「導入後の運用管理」「保守サポートの必要性」などが挙げられる。要するに導入したはいいが、効果を出せないで終わることを心配しているのだ。こうした背景から同パッケージは、工場の機械に手を入れることなく、後付けの装置で、だれもが手軽に稼働状況を可視化できる仕組みにした。
「生産性の向上や省力化に必要なすべての機能を一気通貫で提供している点が特長だ」(酒井氏)。
運用サポートもポイントだ。導入後もしっかり活用できるようNTT東日本のエンジニアが運用サポートを実行。同社がIT専任者として、必要な設定変更やメンテナンスを代行する。
センサ装置やネットワークカメラなどのIoTデバイスと、データ可視化用のIoTクラウドなどに加えて運用サポートをセットにした点が同パッケージのユニークな特長となる。
センサ装置については信号灯で国内シェア70%を持つパトライトの「AirGRID」を活用している。
パトライト執行役員の吉坂悟志氏は「運用サポートを提供することで大工場から中小工場までお手軽にIoTを活用することができる。実は当社はこれまで大工場にしかIoTを提案できなかった。中小工場は、IoTを自己完結的に活用するのが難しく、すべて当社でお手伝いしないといけない。当社にはそこまでのリソースがないので提案を控えていた。今回、NTT東日本と連携することで、保守サポートが充実し、国内にある37万工場すべてに訴求できるようになる」と話す。

埼玉県川口市で板金加工を生業にするトーメックスは昨年から同パッケージのトライアルを実施してきた。常務執行役員の浅子英一氏はトライアルの成果についてこう語る。
「異常停止を早期発見ができるようになった。従来は機械が視野に入るところまで行かなければ助教を確認できず、定期的に巡回しなければならなかったが、遠隔で状況を確認でき、作業が効率化した。また機械が異常停止した場合、前後5分の映像をドライブレコーダのようにクラウドに保存するので、異常停止の根本的な原因を把握しやすくなった」。
導入効果としては、異常停止時間の短縮により、稼働率が4%向上。コスト削減効果などにより年間120万円の利益向上につながるとみる。
「われわれは多品種少量のビジネスなので、部材の入れ替えなど段取り時間の短縮がポイントになる。IoTを継続的に使うことで、段取り時間がさらに短縮すれば、利益向上効果は拡大する。また巡回時間が減ることで、ほかの作業ができるようになるため、従業員の多能工化が可能になる。今後、人材確保がますます難しくなる中、IoTを活用することで、小人数でも工場を回せるようになることを期待している」と浅子氏は話す。

同パッケージは初期費用132万円(税抜)、月額利用料は2万9900円(税抜)。「うまく活用すれば投資回収は1年間で済む。RoIは高い」と酒井氏はアピールする。すでに引き合いも来ている。傾向としては数十人規模の工場が多いという。

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