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コンセプト

連載「研究派」250

マルチサービスファブリック(MSF)

NTTネットワークサービスシステム研究所

2017年6月19日(月) 3290号

NTTネットワークサービスシステム研究所ネットワーク伝送基盤プロジェクトIPフロー制御装置DP研究員の横井俊宏氏は、マルチサービスファブリック(MSF)の研究開発に力を入れている。
MSFはNTTが推進するNetroSphere構想の一環として取り組まれている。同構想のコンセプトは、ネットワーク構成を部品化して、シンプルな汎用品を組み合わせてネットワークを柔軟かつ経済的に構築することをめざすものだ。さまざまなベンダ製品を活用する「エニーベンダ化(Any vendor化)」をめざしており、その時々でベストなベンダ製品を使えるようにすることで利用者の要求に柔軟に対応できるネットワークを実現する。
MSFは柔軟なネットワーク制御により、保守・運用の容易化・高度化を図る技術だ。汎用品を最大限に活用するアーキテクチャとコントロール技術で、ホワイトボックススイッチを含む構成リソースを自由自在に組み合わせることで、利用者の多様なニーズに対応する。
横井氏は「従来のネットワーク装置はハード・ソフトとも同じベンダがつくっていることが多かったが、ホワイトボックススイッチと呼ばれるハードだけつくるベンダ、ソフトだけつくるベンダが現れ、自由に組み合わせることのできる装置が出始めている。現状は、データセンタを中心に進展しているトレンドだが、こうした技術をキャリアのネットワークでも使えるようにすることをめざすのがMSFのポイントだ」と説明する。

もともとデータセンタなど建物内のネットワークで活用していた技術を、巨大なキャリアネットワークに適用するためにプロトコルやネットワークの設計でさまざまな工夫を施した。
例えば、ネットワーク制御には、どこの装置からどこの装置へパケットを送るかという経路情報が必要だ。それをルールに従って集約することで、経路情報を小さくできる。
「経路集約と呼ばれる技術だが、これはNGNなどでも使っており、ネットワーク設計時に人の手で計算を行い、ルータ間で経路情報を交換させている。これに対して、MSFでは経路集約設計情報をコントローラで自動計算するエンジンを実装して、装置にその指令を出すことで、装置のメモリ使用量を効率化することができる」(横井氏)。

MSFはネットワークオペレーションの容易化・高度化に寄与する。複数の異なるベンダ製品を扱う場合、従来のオペレータはそれぞれ装置の差異を習得しなければならなかった。一方、MSFでは、すべての装置を統一的に示すことができ、製品の差異を意識することなく制御できるようになる。
また、A社の装置が故障しても、A社の新装置で代替する必要はなく、B社の装置をすぐに入れ替えるということも可能になる。つまり、その時々の状況に応じたベストな選択をできるわけだ。
今後の展開として横井氏は「異なるベンダの装置間でもプロトコルのルールは統一されている。しかし、細かい実装の差分が出るので、やはり事前検証が必要になる。実際に導入する際の検証の仕組みづくりが今後のポイントで、検証の自動化などを視野に取り組んでいる」と話す。
中学時代にインターネットのインパクトに触れたことをきっかけにネットワークに興味を持つ。大学ではネットワークの経路制御に関する研究に専念した。
研究モットーは「実用化をゴールにする」。
バイクが好きで、学生時代はバイクで北海道一周旅行などもした。現在は都内をツーリングするのがリラックス方法だという。カワサキ・ZZR1400を所有。

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