RECENT ARTICLES 記事紹介

壁に穴が開いた真備町の通信ビル(写真提供/NTT西日本)

連載「西日本豪雨 通信インフラ通信」②

浮遊物か、水圧か。真備町の通信ビルに穴

2018年8月13日(月) 3339号

NTT西日本は西日本豪雨で水没した倉敷市真備町にある通信ビルの復旧に注力し、予定を前倒しする形でフレッツ光などの通信サービスを1日(水)に回復させた。また3日(金)には、加入電話も回復させ、復旧を完了させた。
今後は被災エリアの通信ビルから利用者宅までの通信設備の復旧作業に全力を注ぐとしている。
  
「真備町では通信ビルに穴が開くという事象が発生した。浮遊物が当たったのか、水圧のせいなのか、正確に判断するのは難しいが、そこから雨水が入り、設備がすべて水没した」。
同社岡山支店設備部の梶原佳幸部長は、これまで経験したことのない被災状況に言及し、豪雨被害のすさまじさを示唆した。
通信ビルの復旧作業は、壊れた設備の入れ替えを行う必要があった。
壊れた設備を運び出し、電源を復旧させる。通信ビルに開いた穴を応急措置でふさぎ、ビル内の洗浄と乾燥を行い、新たな設備の搬入・設置、接続試験を行うというのがおおまかな工程だ。
「通信ビルの復旧に3週間ほどかかった。とくに苦労したのは、新たな設備の調達だった。さまざまなところから設備を調達しなければならず、そこに時間がかかった。一方、ケーブルや端子盤など洗浄すれば使える部品については、活用することも検討し、復旧のスピードを上げるようにした」と梶原氏は話す。
今夏は記録的な猛暑日が続く。そのため復旧作業は暑さとの闘いでもあった。周知の通り、通信ビルはコンクリートで固められた密閉空間だ。平常時の作業であれば、ビル内の空調を利かせられるが、浸水により空調設備も壊れてしまった。
空調のない密閉空間に加えて、この酷暑だ。復旧作業は想像以上に過酷なものになった。
「ビル内は高温多湿で、汚れた雨水もあったことから、当初は異臭が発生していた」と梶原氏は振り返る。
岡山県における、西日本豪雨のもう一つの特徴は、被災地域が広かったことだ。被災地域の面積が大きく、そのため、さまざまなエリアで、さまざまな被害が出た。
真備町の中心部では電柱が倒れたり、ケーブルが切れるといった被害も出ており、先述したように、現状はそうした通信設備の復旧に力点を置いている。
  
豪雨災害は、地震や津波と異なり、どの時点で災害と認定するか判断に迷う面がある。
岡山支店では、雨脚が強まってきた7月6日17時に情報連絡室を設置し、7日6時に災害対策本部を立ち上げた。
「6日の夜中に土砂崩れやケーブル断などの被害が発生し、真備町の通信ビルは6日深夜に設備監視システムのアラームがいくつか上がり、7日の明け方に、水没しているのではないかとの推測が立った。現場に入れる状況ではないので、あくまで推定で一夜を過ごし、8日に現地で水没を確認した」と梶原氏は発災当初の模様を語る。
  
すでに周知の事実だが、真備町を襲った洪水は、岡山県西部を流れる高梁川が豪雨の影響で増水し、真備町付近を流れる支流の小田川の水が高梁川に合流できなくなり、小田川が氾濫したことで引き起こされた。
いわゆる「バックウォーター」と呼ばれる現象だ。

ページトップへ

POINT OF VIEW ポイントオブビュー

採用情報

現在はありません。

お問い合わせ

TEL:03-5937-5480
FAX:03-5937-5476
Mail: info@denkeishimbun.co.jp

facebook